映画「健太郎さん」の感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
上映日 | 2019年 |
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製作国 | 日本 |
ジャンル | サスペンス、短編 |
監督 | 高木駿輝 |
脚本 | – |
キャスト | 西川浩幸、宇田川さや香、木下仁、白井友子、龍坐、etc. |
上映時間 | 35分 |
あらすじ
一軒家で暮らす4人の家族、斎藤家には赤の他人、”健太郎さん”が同居している。
奇行を繰り返す彼は一体誰なのか、その目的は。
一つの真実にたどり着いた時、想像を絶する絶望が姿を現す。
映画「健太郎さん」予告編
感想(ネタバレあり)
斎藤家に現れた謎の「健太郎さん」とは?
物語の舞台は、ごく普通の斎藤家。
父、母、娘、息子の4人家族の家に、なぜか健太郎さんと名乗る赤の他人が同居しています。
しかもこの健太郎さん、普通の人間じゃないんです。
家族の食卓に平然と座って食事をしたり、かと思えば誰もいない場所に向かって話しかけたり…その奇行に、観ているこっちも「え、何これ?」と戸惑いを隠せません。
特に印象的だったのが、家族が健太郎さんの存在を当然のように受け入れていること。
それがまた不気味で、物語の序盤から不穏な空気が漂っています。
一体彼は何者なのか、何のためにここにいるのか。
その謎が、観る側の好奇心をグッと引きつけます。
奇行の裏に隠された真実とは?
健太郎さんの不可解な行動の数々。
やがてそれが、斎藤家が抱えるある“喪失”と深く結びついていることが明らかになります。
この真実が明らかになった瞬間、鳥肌が立ちました。
健太郎さんが奇行を繰り返すたびに感じていた不気味さが、一気に深い悲しみと絶望に変わります。
総評・まとめ
「健太郎さん」は、たった数分の間に、観客を日常のささやかな違和感から、想像を絶する絶望へと突き落とします。
この映画が恐ろしいのは、幽霊やモンスターといった直接的な恐怖ではなく、人間の精神の脆さや、悲しみが作り出す歪んだ現実を描いている点です。
観終わった後、改めて自分の日常を見つめ直したくなるような、そして、誰もが抱えうる心の闇に触れたような、そんな感覚に陥る一本でした。
短い時間でこれほどまでに深いテーマを突きつけてくるこの映画、ぜひ多くの人に観てほしいです。