映画「母性」の感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
上映日 | 2022年11月23日 |
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製作国 | 日本 |
ジャンル | ミステリー |
監督 | 廣木隆一 |
脚本 | 堀泉杏 |
キャスト | 戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、etc. |
上映時間 | 115分 |
あらすじ
愛せない母と愛されたい娘の「母性」を巡る衝撃の物語。
女子高生が自ら命を絶った。
その真相は不明。
事件は、なぜ起きたのか?普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。
愛せない母と、愛されたい娘。
同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく…
映画「母性」予告編
感想(ネタバレあり)
圧倒的な“ズレ”が生み出す不穏な空気
まずこの映画、冒頭からずっと不穏な空気が漂っているんです。
同じ出来事なのに、母(ルミ子)と娘(清佳)の証言が食い違っていて、「あれ?どっちが本当なの?」と観客は常に惑わされる。
この“ズレ”がめちゃくちゃ巧いんです。
演技が神がかりすぎて震える
戸田恵梨香さんと永野芽郁さんの演技が、もう本当に凄まじかったですね!
戸田恵梨香さんは、美しくて完璧に見えるけれど、その内側に隠された強烈な自己愛と承認欲求、そして脆さを完璧に演じきっていました。
彼女の表情一つ一つ、声のトーンから、ルミ子の複雑な内面が伝わってきて、正直、鳥肌が立ちました。
永野芽郁さんも、母親からのプレッシャーに苦しみ、感情を押し殺しながら生きる清佳の繊細な心情を見事に表現していました。
あの怯えたような瞳、感情が爆発するシーン…本当に圧巻でした。
W主演のお二人の演技がぶつかり合うことで、この作品の持つ独特の不穏さと重みが最大限に引き出されていたと思います。
総評・まとめ
映画「母性」は、ただのサスペンス・ミステリーではありませんでした。
母と娘という最も近い存在でありながら、すれ違い、傷つけ合う二人の関係を通して、「母性とは何か」「家族とは何か」という問いを深く考えさせられる作品でした。
観終わった後も、ルミ子の言動を反芻したり、清佳の気持ちを想像したりと、しばらく思考が止まりませんでした。
それくらい、心の奥底に深く残る映画です。
鑑賞後は、ちょっと疲れるかもしれませんが、人間の心理の奥深さ、そして「愛」の複雑さを知りたい方には、ぜひ観ていただきたい一本です。
覚悟して観てくださいね…!