映画「毒親<ドクチン>」感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめ

毒親<ドクチン>

映画「毒親<ドクチン>」の感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

上映日2024年4月6日
製作国韓国
ジャンルミステリー
監督キム・スイン
脚本キム・スイン
キャストチャン・ソヒ、カン・アンナ、チェ・ソユン、ユン・ジュンウォン、オ・テギョン、etc.
上映時間104分
目次

あらすじ

韓国で社会問題となっている〈毒なる親〉をモチーフに、息つく間もない展開で観客を魅了する韓流ミステリーの傑作!成績が優秀で優等生の高校生ユリ。

そして、誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。

二人は誰が見ても完璧で理想の母娘と周囲では羨ましがられている。

しかし、実はユリは母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていた。

ある模擬試験の当日、学校には登校せず姿を消したユリは、キャンプ場で遺体となって発見される。
捜査に乗り出したオ刑事は、自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンは頑なに認めようとしない。

逆に担当教員ギボムが、ユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、その教員を疑い裁判を起こす。

事件を探れば探るほど徐々にヘヨンの歪んだ母性愛が浮かび上がり、やがて衝撃の真実があらわになる。

映画「毒親<ドクチン>」予告編

感想(ネタバレあり)

毒親ってこんなに深いんだ…

この映画を観ると、毒親という言葉の持つ意味がただの「厳しい親」じゃなくて、もっと深いところにあるんだと痛感させられます。

主人公の母親は、いわゆる過干渉で、常に娘を支配しているんですけど、その愛情が時には重すぎて、逆に娘の自由を奪ってしまっている。

でも、母親もどこかで「自分は良かれと思ってやっている」って信じてるのが切ないんですよね。

主人公の成長がリアルすぎる

映画の主軸は主人公の成長なんですが、これが本当にリアルなんです。

最初は母親に対して反発しているけど、どこかで愛情に依存している感じがして。

次第に、自分の人生を取り戻そうとするけど、やっぱり簡単にはいかない。

誰しも、親の期待に応えようとしながらも、自己を確立していくのは難しいと思うけど、主人公がそれを乗り越えていく過程には共感できる部分が多かったです。

母親役が圧倒的すぎる

母親役を演じた俳優の演技がすごかった!最初はただの厳しいお母さんかと思いきや、愛情の裏にある支配的な面がどんどん浮き彫りにされていって、見てると本当に息が詰まる。

でも、母親が愛情を押しつける理由が少しずつ見えてきて、単なる「悪い親」ではないところがまた難しいんですよね。

時折、彼女の心情が少しだけ見える瞬間があり、それがすごく印象的でした。

映像が静かに響く

映像面では、暗めで静かな雰囲気が映画全体に漂っていて、その静けさが逆に主人公の内面の葛藤を引き立てている感じがしました。

特に、ラストシーンで母親と決別するシーンは、言葉が少なくても感情がすごく伝わってきて、ただただ心に残ります。

光と影をうまく使ったシーンが多く、視覚的にもしっかり感情を表現していたのが印象的でした。

毒親って思ってたよりも複雑だなぁ

この映画を観た後、「毒親」って単純に子どもを支配する親のことだけじゃなくて、親がどんな愛情を持っていて、それがどう子どもに影響を与えるかっていう複雑なテーマに思い直しました。

映画の中で、親が抱える「自分が子どものためにやってるんだ」という気持ちと、それが子どもには重荷になっていることがぶつかる場面があり、そのギャップがすごく胸に響きました。

総評・まとめ

『毒親<ドクチン>』は、親子関係を掘り下げると同時に、自己実現の過程を描いた作品。

主人公が母親からの束縛を解き放つまでの成長が非常にリアルで感動的でした。

母親役の演技が圧倒的で、ただの「毒親」ではなく、愛情と支配の複雑なバランスがしっかり描かれていました。

静かな映像が、その心の葛藤をより強く感じさせてくれました。

最終的には、親から自立することの大切さや、親の愛がどれだけ子どもに影響を与えるかを考えさせられる作品です。

自分の家族関係や親との距離感について、少し考え直すきっかけになる映画だと思います。

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