映画「カラオケ行こ！」の感想（ネタバレあり）・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
| 上映日 | 2024年1月12日 |
|---|---|
| 製作国 | 日本 |
| ジャンル | コメディ |
| 監督 | 山下敦弘 |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| キャスト | 綾野剛、齋藤潤、芳根京子、橋本じゅん、やべきょうすけ、etc. |
| 上映時間 | 107分 |
あらすじ
合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。
組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。
狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。
聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うことに。そんな二人がカラオケを通じて少しずつ打ち解けてきた頃、“ある事件”が起きてしまう。
果たして二人の運命は!?
映画「カラオケ行こ！」予告編
感想（ネタバレあり）
ヤクザと思春期真っ只中の中学生
まず、この映画の魅力はなんといってもキャラクターですよ！
狂児（綾野剛）ね！もう、完璧な「変な人」でした（褒めてる）。
歌がうまくなりたい一心で、中学生に真剣に指導を仰ぐヤクザって、字面だけでもおかしいのに、綾野剛さんが演じることで、その奇妙さがさらに爆発してました。
特に、彼が歌い上げる「紅」の歌唱力は、あれはもうギャグとしか言いようがないのに、本人は至って真面目なのが最高に面白い。
そして、聡実くん（齋藤潤）！
彼の「なんで俺がこんな目に…」みたいな困惑顔が、もうね、可愛いんですよ！
変声期で歌に自信が持てない、だけど真面目で優しい。
そんな普通の男の子が、ヤクザに歌の指導をするっていう、とんでもない状況に巻き込まれていく過程が、彼の内面の成長とリンクしていてグッときました。
歌を通して生まれる奇妙で尊い友情
この映画の核にあるのは、狂児と聡実くんの間に芽生える、不思議な友情ですよね。
最初は義務的にカラオケ指導をしていた聡実くんが、少しずつ狂児の人間的な魅力に気づいていく。
狂児もまた、聡実くんの純粋さや、歌に対する真摯な姿勢に触れて、心が動かされていく。
特に印象的だったのは、聡実くんが狂児に「なぜ歌いたいのか」と問いかけるシーン。
狂児が語る、組のカラオケ大会での負けられない戦い、そして歌への執着。
それが、変な方向ながらも、彼なりの「青春」なんだなって感じさせてくれたんですよね。
そして、狂児が聡実くんに歌の楽しさや、自分自身を表現することの大切さを教えていく部分。
最初は嫌々だった聡実くんが、少しずつ歌うことに積極的になっていく姿は、観ていて本当に胸が温かくなりました。
まさかヤクザが、こんなにエモい青春を演出するとは…！
とにかく笑いどころ満載
狂児の歌声、カラオケボックスでの奇妙なやり取り、組員たちの個性的な面々…。
「え、こんなことで？」ってところでフッと笑ってしまうような、シュールなギャグが散りばめられていて、終始ニヤニヤが止まりませんでした。
でも、ただのコメディで終わらないのがこの作品のすごいところ。
狂児と聡実くんの交流を通して描かれる、お互いを理解し、支え合う姿には、じんわりとした感動がありました。
特に、カラオケ大会のシーンは、狂児の歌声は相変わらずなのに、なんだか応援したくなっちゃって、彼の真剣さに心が動かされるんですよね。
聡実くんの成長も感じられて、あんなにも「嫌だ」と言っていた彼が、狂児のために一生懸命になる姿には、涙腺が緩みました。
総評・まとめ
「カラオケ行こ！」は、単なるコメディ映画ではありませんでした。
ヤクザと中学生という、普通なら交わらない二人の奇妙な出会いから、歌を通して育まれる友情と成長を描いた、予測不能で最高の青春映画です！
笑いあり、感動あり、そしてちょっとだけ狂気あり。
観終わった後には、心の中に温かいものが残る、そんな素敵な作品でした。
それでは、また次の映画で！
