映画「哭声/コクソン」の感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
上映日 | 2017年3月11日 |
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製作国 | 韓国 |
ジャンル | ホラー |
監督 | ナ・ホンジン |
脚本 | ナ・ホンジン |
キャスト | クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ、etc. |
上映時間 | 156分 |
あらすじ
平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者がやってくる。
彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。
この男についての謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。
そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだ。
事件を担当する村の警官ジョングは、ある日自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く…
映画「哭声/コクソン」予告編
感想(ネタバレあり)
思考停止不可避
まず言いたいのが、この映画、マジで「わからん!」の連続でした。
始まりはどこにでもあるような田舎の村で起こる、奇妙な連続殺人事件。
最初はよくあるゾンビもの?みたいな雰囲気かと思いきや、いやいや全然違う!得体の知れない病気なのか、悪魔の仕業なのか…?
主人公の警察官ジョングは、自分の娘が同じような症状に苦しみ始めたことで、事件に深く巻き込まれていきます。
この辺からもうね、観てるこっちの心臓がギュッってなるんですよ。
怪しい日本人のよそ者、巫女、そして謎の女…。
誰が敵で、誰が味方なのか、本当に信用できるのは誰なのか。
もう、誰も信じられない!
特に印象的だったのは、巫女のイルグァンが繰り出す祈祷のシーン!あの、太鼓の音と呪文が入り混じる狂乱っぷり、鳥肌ものですよね。
映画館で見てたら、絶対あの場にいるような感覚になったはず!
底なし沼のような映画
『哭声/コクソン』の魅力って、観終わった後もずっと頭の中に残って「あれってどういうことだったんだろう?」って考えちゃうところだと思うんです。
個人的なハイライトは、やっぱりあのラストシーンですよね…。
ジョングが娘を助けようと必死になって、最終的に信じたのは誰だったのか。
そして、その選択がもたらした結末は…。
私は、完全に悪魔に翻弄されていたジョングと、彼を取り巻く人々の絶望に打ちひしがれました。
結局、悪魔は最初からそこにいて、ただ人々を弄んでいたのか?
それとも、実は救いの手が差し伸べられていたのに、人間側の疑心暗鬼が破滅を招いたのか?
日本人のよそ者が本当に悪魔だったのか、それともただの巻き込まれ事故だったのか。
あの謎の女性は守護者だったのか、それともただの傍観者だったのか。
もうね、観終わってから色んな考察サイトを漁りまくりましたよ!
「これは人間の心の闇を描いている!」とか、「いや、これはキリスト教的解釈が!」とか、みんな言いたい放題(笑)。
でも、どれもこれも「なるほど!」と思える部分と、「いや、それはちょっと違うかな?」って思う部分があって、結局自分の中でスッキリした答えが出ないのがまた面白いんですよね。
総評・まとめ
『哭声/コクソン』は、観る人に「答え」を押し付けない映画だと思います。
観る人それぞれの解釈に委ねられる部分が非常に多くて、だからこそ何度も観たくなるし、誰かと語り合いたくなる。
恐怖、絶望、そして混乱。
これらの感情をこれでもかと味わわせてくれる、まさに「体験する映画」でした。
もし、あなたが「ちょっと最近刺激が足りないな〜」とか、「観終わった後も頭の中でずっとグルグル考えちゃうような映画が好き!」ってタイプなら、ぜひ『哭声/コクソン』を観てみてください!
ただし、鑑賞後は確実に脳みそが疲れるので、覚悟して観ることをお勧めします(笑)。