映画「イエスタデイ」の感想(ネタバレあり)・レビュー・評価・あらすじ・動画配信まとめです。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
上映日 | 2019年10月11日 |
---|---|
製作国 | イギリス |
ジャンル | コメディ、ファンタジー |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | リチャード・カーティス |
キャスト | ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ジョエル・フライ、エド・シーラン、etc. |
上映時間 | 112分 |
あらすじ
売れないシンガーソングライターのジャックが音楽で有名になるという夢をあきらめた日、12秒間、世界規模で謎の大停電が発生──。
真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが昏睡状態から目を覚ますと…あのビートルズが世の中に存在していない世界に!
彼らを知っているのはジャックひとりだけ!?
ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況。
そしてエド・シーランのツアーのオープニングアクトを任され、ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。
思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが──。
映画「イエスタデイ」予告編
感想(ネタバレあり)
ある日突然、ビートルズが世界から消えた?!
主人公は売れないシンガーソングライターのジャック。
鳴かず飛ばずの日々を送っていた彼が、ある日交通事故に遭い、意識を取り戻すと…なんと世界から「ビートルズ」という存在が消え去っていたんです!
ジョン・ポール・ジョージ・リンゴ?誰それ?みたいな反応が返ってくる世界に、ジャックは戸惑いを隠せません。
この設定がまず面白いですよね!ビートルズを知らない世界なんて、想像できますか?
私はもう、この設定だけでワクワクが止まりませんでした!
彼らの楽曲がどれだけ世界に影響を与えてきたか、改めて痛感させられる導入でした。
記憶を頼りに「ビートルズ」を歌い継ぐジャック
ビートルズの曲が世界から消えた中、唯一その存在を記憶しているジャック。
彼は、その圧倒的な名曲の数々を自分の曲として発表し、瞬く間にスターダムを駆け上がっていきます。
この辺りが、見ていてとても楽しいんですよね!
誰も知らない曲なのに、一度聴けば心を掴まれるビートルズのメロディーの力強さたるや…!
「イエスタデイ」や「ヘイ・ジュード」が初めて世に出るかのように歌われるシーンは、鳥肌モノでした。
特に「Something」を弾き語りするシーンは、あの名曲の美しさが際立っていて、思わず涙腺が緩みましたね。
でも、同時に葛藤も生まれてくるんです。
これは自分の歌じゃない。
盗んでいるという罪悪感。
そして、売れるにつれて大切なものが見えなくなっていくジャックの姿に、ちょっとハラハラもしました。
成功の裏側で気づく本当の宝物
スターになったジャックのもとには、エド・シーランという本人役で登場するビッグスターまで現れ、彼の才能を絶賛します。
エド・シーランとのやり取りもコミカルで面白かったですよね。
しかし、ジャックが本当に大切なものに気づくきっかけは、彼の隣にずっといてくれたマネージャーで幼なじみのエリーでした。
彼女はずっとジャックを支え、彼の音楽を信じ続けてきた唯一の人。
成功を追い求める中で、ジャックはエリーの存在の大きさに改めて気づかされます。
そして、この映画の最大の見どころであり、多くの人が心を揺さぶられたであろうシーンが、ジャックがジョン・レノンと出会うシーンです。
年老いたジョン・レノンが、幸せそうに生きている姿を目撃するジャック。
そこで彼は、音楽だけでなく、人生において本当に大切なものは何かを悟ります。
ジョン・レノンが語る「愛する人を愛し、正直に生きろ」という言葉は、ジャックの心に深く響いたはずです。
このシーンは本当に感動的でした。
ビートルズが存在しない世界で、唯一ビートルズの存在を知るジャックが、彼らの音楽の源泉であるジョン・レノンに会うという奇跡。
そこで彼の人生の選択が変わるんです。
総評・まとめ
「イエスタデイ」は、ビートルズの音楽が持つ普遍的な魅力と、もしその音楽がなかったら世界はどうなるのか、というユニークな視点から物語を描いています。
でも、それ以上にこの映画が伝えたかったのは、成功や名声よりも、身近にある愛する人とのシンプルな幸せこそが人生の輝きだということではないでしょうか。
ジャックは最終的に、自分の正直な気持ちとエリーへの愛を選びます。
そして、ビートルズの曲を世界に「戻す」という形で、本当の意味でのハッピーエンドを迎えるんです。
彼がライブで「Hey Jude」をみんなで歌うように促すシーンは、音楽が人々の心を繋ぎ、喜びを分かち合う素晴らしいツールであることを改めて感じさせてくれました。
観終わった後、なんだか心が洗われるような、温かい気持ちになれる映画でした。
ビートルズファンはもちろんのこと、そうでない人にも、音楽の力と人生の素敵なメッセージを受け取れる一本だと思います!